
女性薬剤師に訪れるキャリアの変化に不安があって・・

ライフスタイルの変化が訪れる女性だからこそ、明確なキャリアプランを立てることが重要!
その鍵を握る「転職のタイミング」を中心に解説していくね♪
女性の薬剤師の強みとは?

新型コロナウイルス感染症の影響や国民の高齢化も伴い、最近は特に医療従事者の必要性と重要性が増しています。
今回は医療従事者である薬剤師、特に女性薬剤師についての記事です。今も昔も薬剤師は様々な分野で活躍できる人気の職業です。令和2年12月31日現在における全国の届出薬剤師数は 321,982 人で、男性124,242 人(総数の38.6%)、女性197,740 人(同61.4%)と報告されています。薬剤師の約6割が女性です。
1960年代末までは薬剤師の総数は男性が多く、1970年代に入ると女性の社会進出によって女性が増加したと言われています。1974年を境に女性薬剤師割合が逆転し、1990年代以降は女性薬剤師が安定して6割程度を維持してるようです。
現在でも活躍している女性薬剤師の強みを見ていきたいと思います。
(数値参考 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_kekka-3.pdf)
(数値参考 マイナビ薬剤師https://pharma.mynavi.jp/knowhow/workplace/woman-careerplan/)
待遇や業務内容に男女格差が小さい

薬剤師の業務は男性だからこれができ、女性だからこれができないと言った業務は少ないです。
薬剤師の仕事は在庫管理、医療従事者との対応、患者対応、医薬品・医療機器の知識やそれを取り扱う法律の熟知など、性別を問わずにおこなう業務が多いです。記事を書いている記者は男性ですが、業務をしていて女性だからこれをする・これができないという例を経験したことはありません。沢山の尊敬できる先生方を見て勉強させていただきました。
よって男性薬剤師も女性薬剤師も同じ身分で仕事をすれば報酬に差は出ないし、業務内容の男女格差は小さいと言えます。
女性ならではの細やかさが生かせる職業

昨今、薬剤師の指導のもと、薬局での緊急避妊薬を購入できるように(緊急避妊薬のOTC化)してほしいと言った声もきかれます。まだ法的に緊急避妊薬をOTC化することは出来ませんが、もし実現すれば男性薬剤師も女性薬剤師も知識をもち、当然薬剤師としての責務を果たすことになります。患者さんも薬剤師の性別を問わないかもしれません。
しかし、緊急避妊薬を服用する状況は非常にデリケートであり、女性ならではのアドバイスときめ細かい仕事を患者さんは求めている可能性があります。
服用者も丁寧に対応してくれるならば性別は問わないけれども、女性である方が質問などをしやすい場合もあるでしょう。
復職しやすい職業のため長年働くことができる

女性薬剤師は復職しやすいと言えます。
新薬が登場したり、薬の使い方が変わる場合がある事と、2年ごとに診療報酬が変わるため可能であれば2年程度のブランクであると復帰の際も比較的負担が少ないかもしれません。かといって、子育て等で10年以上のブランクがあるからと言って全く就業できないかと言うとそんなこともありません。
医療業界の10年と言うのは非常に変化が多く、復職後は今までと全く違った環境になっているかもしれません。しかしながら、新たな環境で学ぶ意思があれば、個人差はあれ数年程度で新しい環境になじめると思います。薬剤師は学び続け、変化への対応を必要とする職種でもあります。
結果として、資格を生かし長年働くことも可能です。
生活形態の変化に対応できる雇用形態の多様性

職場を限定しなければ薬剤師の雇用形態には多様性があります。雇用形態には正社員、パート社員、派遣社員など様々な形態があります。
自分の生活にあった雇用形態を選ぶとよいと思います。
正社員は安定した収入、パート社員は時間の融通が効く、派遣社員は高時給案件が比較的多いといった特徴もあります。また薬剤師資格を利用して在宅ワークを行える場合もあります。自分の生活と働きたい時間帯などを見比べて、自分にはどの雇用形態が合うのかを選ぶとよいでしょう。
配偶者の転勤にも柔軟に対応できる

配偶者に転勤がある場合でも、薬剤師は多くの場合新しい土地で仕事を見つけることが可能です。
配偶者の転勤の可能性を知っていても実際転勤となると大変です。少し古いデータですが「とらばーゆ」というサイトで既婚30代女性への調査で「夫が転勤になったらついて行く」と6割の女性が回答しているそうです。同調査では、共働きの場合、女性が手に職を持っていないので転勤についてゆくのは避けるといった回答もありました。
もしも、雇用形態を問わずに新しい土地や環境で薬剤師の仕事をしたいと考えているならば、国内であれば多くの場所で資格を生かした働き方ができると思います。先ほども言った通り、近年は在宅ワークなども認識されており、場所が変わっても自宅で出来る仕事があります。
(調査はとらばーゆ「夫の転勤についていく?いかない?」 転勤調査対象は既婚30-39歳 女性1030名 調査期間は2015年12月08日から2日間インターネットにて)
(数値参考とらばーゆ https://toranet.jp/contents/real/love/15753/)
薬剤師専門の転職サイトがあるため安心

薬剤師には薬剤師専門の転職サイト(薬剤師特化型転職サイト)があります。
そのため、薬剤師全般が転職サイトを利用することで、自分に合った求人を探すことができます。薬剤師特化型転職サイトでは女性からの目線で求人を相談しつつ選んでくれるサイトが多いです。産休・育休からの復帰がしやすい職場、雇用形態の変更に柔軟に対応してくれる職場、全体で女性が働きやすい環境を作ろうと努力している職場など、薬剤師特化型転職サイトは転職実績や派遣実績から職場の情報を得ていることが多くあります。
【転職優先順】女性薬剤師が転職を決意する時

様々な理由で転職を決意することがあるでしょう。
薬剤師が転職を決意する時はどのような時でしょうか?
①労働条件に不満がある時

年収や雇用条件に不満があって転職を希望する薬剤師はとても多いです。
現在より高年収で負担が少ない職場というのは地域にもよるし、かつてほど簡単に見つからないかもしれませんが全く見つからないというわけではありません。転職先と交渉してみると、現在の職場より負担が減って労働条件不満の解消につながることもあります。
薬剤師は同じ薬剤師業務をするなら、どちらの条件が良いのか比較がしやすい職業です。転職先も病院、調剤薬局、ドラッグストアなどがあり中小企業個人経営なのか、大企業チェーン企業なのかで待遇や就職できるタイミングが異なります。有給休暇や産休・育休の実績も見ておくとよいでしょう。
②より大きなやりがいを求める時

薬剤師の業務は様々であり、近年はリフィル処方せんの導入や薬剤師の在宅業務など、薬剤師に求められる知識や業務が多様化しています。しかしながら、今でも毎日同じような処方せんを調剤・投薬をしている薬局もあると思います。同じ処方(Do)を調剤するのは実は薬剤師の腕の見せ所です。
患者さんの体調が安定していると考えられる中で薬剤師としてどのような指導をするのか、本当にDoで良いのかも含めて考えることになります。
ですが中にはDo処方の調剤だけより、薬剤師として医師ヘの処方提案、減薬提案、在宅へ積極的に関与してみたいと思う薬剤師もいます。
職場がこのような事に前向きであれば良いのですが、今のまま調剤・投薬だけしてと言われてしまうと自分ではどうにもできません。その際はより大きなやりがい・目標を求め転職することになります。
転職の際は自分がどのようなことをしたくて、転職先はどのようなことをしているのか、しっかりとマッチするように情報収集を行いましょう。
③結婚した時

結婚後はライフスタイルが変わってしまうことも多々あり、現在の職場が好きでも転職を考えなくてはならない時もあるようです。
特に配偶者が転勤で遠方に行かなくてはならなくなった場合、一緒について行きたいから転職をすることがあります。
また結婚後にプライベートの時間を増やすために、残業が少ない職場に転職することも考えられます。
④育児との両立を考えた時

出産または育児に向けて転職をする薬剤師も沢山います。妊娠中の気分や体調は変わりやすく、気分が落ち込んでしまったり、体調がすぐれない方も多いようです。
感じ方はそれぞれですが、育児はとても大変で子供を育てていると色々な問題が出てきます。子どもが生まれてからは、保育園や幼稚園の送り迎えもあります。子どもは体調を崩しやすく急な熱発により体調を見てあげなくてはならないこともあるでしょう。育児体制が整った職場であれば負担を減らしつつ、仕事と子育てを両立しやすいと思います。
出産や育児を考えている薬剤師の方は育児に理解ある職場で働けると良いですよね。
育児分担は家庭により様々で、配偶者や家族と相談しながら自分のライフスタイルに合った職場を見つけることが重要です。
⑤人間関係がよくない時

人間関係で仕事を辞める薬剤師はとても多いと感じます。
薬局自体が狭く、どうしても同じメンバーと顔を合わせる機会が多くなり、そこで苦手な人がいて人間関係に悩んでいる場合、毎日が苦痛になってしまいます。
人間関係の悩みは人それぞれだと思います。人間関係が理由で何度も転職する場合は、自分が考え方を変える必要が出てくるかもしれません。
特に主な転職理由が人間関係だとすると転職の際にまた辞められるかもしれないと思われる場合があるので、人間関係が理由で転職する際はマイナスイメージを持たれないように説明する必要があります。
⑥仕事で成果が出せない時

仕事で成果が出せない時は誰でも気持ちが落ち込んでしまうものです。それが立て続けに起これば本当に嫌になる時もあります。
そのような時は自分が会社や患者さんに向けて努力しているか一度考え直す必要があるかもしれません。また、努力の方向が正しくても、その努力が必ずしも報われるとは限りません。
薬剤師は努力しては当然の職業ですが、人間は目に見える成果が無いと辛くなってしまうものです。
女性薬剤師が転職に抱く不安とは?

転職に関する不安は誰しもが抱くことでしょう。
転職の際の不安や心配をいくつか書き出したいと思います。
人間関係が良好にいくかが不安

せっかく転職をしても、転職先の人間関係が良好か分からない点は大変不安だと思います。この不安は人それぞれで様々な価値観があるため、実際に職場に入ってみないと分かりにくいかもしれません。だれもが良い職場と言っても自分からすると全く合わない職場の時もあります。
とは言えある程度は職場見学など事前の情報で雰囲気をつかむことができると思います。
多くの薬局では決まったメンバーとほぼ毎日顔を合わせるため、人間関係は良好であることが望ましいですよね。また人間関係は仕事にも影響を及ぼします。
家庭と仕事を両立できるか心配

新たな職場になり家庭と仕事が両立できるか不安を持つ人も多いでしょう。
職場に慣れるまでなどの短期間であればまだ先が見えるので不安は少なくなると思います。仕事と家庭を両立させている女性は、物事の優先順位と時間配分を決めるのが上手と言われるようです。
全てを完璧にこなすのではなく適度に物事をこなしたり、仕事と家庭を両立させるためのコツを身に付けている場合があるそうです。配偶者や家族との連携も重要です。
転職の最適な時期がわからない

転職の最適時期が分からないといった不安もあるようです。
基本的には、結婚、出産や育児が落ち着いた時、家族の都合や転勤などがありますが、キャリア形成を目指して思い立った時に転職するなど、時期を問わずにおこなっても大丈夫です。
ただし、やむを得ない場合を除いて出来るだけ一つの職場に年単位で就業するように心がけましょう。キャリアアップや待遇改善のために点々と職場を変えることはあまりおすすめしません。
転職の際は薬剤師の業務で必要とされていること、今後必要となるであろう業務の事も考えしたい事や出来ることを考慮し、しっかりと情報を収集しておきましょう。
未経験の職場に転職できるかが不安

新たな業務を今後できるかは大変不安になると思います。
同じ薬剤師の業務であっても、薬局、ドラッグストア、病院、公務員、製薬企業などで求められる役割が異なります。今まで経験の無い職場への転職が不安であるとは理解できます。
転職の際は未経験であることをしっかりと話し、未経験者へのサポート体制が整っているのか確認しましょう。サポートがしっかりしていると全くの未経験でも個人差はあれ数年で意外と色々出来るようになります。
企業や自分にとっても一日も早く新たな業務が出来るようになるのが望ましいですよね。
薬剤師が子育てしながら働くことができる理由

子育てしながら働ける職業と、子育てしながら働くのは難しい職業があります。
職業によっても、職場によっても変わるかもしれませんが、薬剤師は子育てしながら働くことも可能な職業と言われています。
どのような理由で子育てしながらでも働きやすいのか見ていきたいと思います。
女性が多い業界であるためサポートが充実している

先ほども述べた通り、薬剤師は女性が活躍しており薬剤師全体の約6割が女性です。
女性が活躍している業界であるため、女性へのサポートが充実しています。
育休後に働く方もたくさんおり、勤務している職員の方々も子育てしながら働いていることが多く、そのため子育ての難しさや、子育て中の急な事態への理解があります。
雇用形態を変化させながら働く

薬剤師として働く際に、正社員以外は採用しないという職場ばかりではありません。
正社員であっても時短勤務であったり、パート薬剤師として子育てに影響がないように働き方を考慮して選択する余地があります。
雇用形態を変化させながら働くことが可能です。
勤務時間も比較的固定されている

薬剤師の場合、業務開始から終業までの時間が比較的固定されており、勤務開始・終了時刻が推定できます。
残業が出る場合もありますが、勤務時間ぴったりに退勤できるように取り計らってくれる職場も多いです。そのため、保育園や幼稚園の送り迎えや買い物など終業後に必要な用事を実行する際に計画が立てやすいです。
子育てと両立も可能な薬剤師ですが、子育ては大変なものだと思います。仕事をしながら子育てしたい方も、子育てに専念したい方も考え方は様々だと思います。無理をせずに自分に合ったライフスタイルを目指しましょう。
女性薬剤師へ転職のアドバイス7選

女性薬剤師が転職をする時、どのようなことに気を付けたらよいかアドバイスを7つ用意しました。
①結婚・出産を前提にキャリアプランを立てる

大きなライフイベントの中に結婚と出産があります。実際に結婚した後、妊娠中、出産した後で生活も変わる可能性があります。そのことを考慮して、転職活動を行いましょう。
結婚後にライフスタイルが変わっても引き続き働く事が出来る職場、産休・育休などの実績がしっかりとある職場、育児に理解ある職場などを選ぶことが重要です。
②結婚前と結婚後、どっちの転職が適切かを考える

結婚前に転職して主に正社員として働き、出産がある場合には産休や育休を取って、子育て中は時短勤務制度などで働く事が一例としてあります。
結婚後に退職をして、生活や出産が少し落ち着いたらパート職員として働き、育児などが落ち着いたら正社員になって働く例もあります。
上記は例なので、結婚前にパートになっても良いし、結婚後に正社員になることも問題ありません。自分にとって負担が比較的少なく、責任をもって働ける雇用形態を選びましょう。
③結婚後に必要な具体的な月収から働き方を考える

結婚後に必要な収入を確認した後に働き方を決めるのも良いと思います。
パートで午前や午後のみの勤務で十分なのか、1日勤務が良いのか。
配偶者控除内で働きたい、配偶者控除が外れてもいいから沢山働きたいなど家庭で相談して働くことが重要です。
④職場の雰囲気や人間関係は自分の目で確認する

転職前には営業中の職場を見学することをお勧めします。
直接職場を見ることで、忙しさや患者さんとのやり取り、職員同士のやり取りが見られます。直接目で見て、肌で感じて得られる情報は非常に大きいです。
忙しくも和やかな雰囲気でテキパキと仕事をこなしてゆくのか、職員同士の連携があまりとれずに患者さんが立って待ってるほど込み合うことが多いのか・・・等々
職員同士の雰囲気、職員と患者さんとのやりとりは直接確認しないとわかりません。
また現場では、最新の自動分包機の有無、監査機器の導入、電子薬歴の有無、発注は自動発注か、投薬窓口の構造や数などに注意を向けてみましょう。投薬窓口に関しては感染対策や、座って立って投薬が可能か、また投薬窓口数で薬剤師の在籍数が想像できる場合があります。
最新でなくても今まで自分が使った機械があると覚えることも少なく、新しい職場での負担が軽減できるかもしれません。
毎日通う職場ですので「転職しなかった方が、前の職場のほうが良かった」とならないようにしっかりと新しい職場の情報を調べましょう。
⑤教育制度・育児制度を確認する

転職希望の職場にどのような教育制度があるのかしっかりと確認しておきましょう。
また育児制度の実績についても事前に確認することが重要です。育児休暇などから帰った後、プランクを埋めるための研修があるか、育休中にもすき間時間でインターネットを利用して学習できるシステムがあるのかなど確認しておくといいでしょう。
⑥育児中のブランク期間の活用法を考える

育休中に可能であれば、薬剤師専門雑誌などを読み、大まかに薬剤師の業界がどのようになっているのか、新薬が出ているかなど動向を知ることが出来れば良いかもしれません。
また、育児が終わったらどのように仕事したいかを考えておくと良いでしょう。薬の勉強に関しては出来ればした方が良いと思います。
しかし、育児の経験自体が大変な勉強になり薬剤師業務にも生かせる事も多く、あまりに忙しいようなら無理をする必要はないと思います。現場に出たときに採用医薬品集を貰えることがあります。医薬品集に基づいて薬の勉強をする方がやみくもにするよりも効率的です。
育児中の薬の勉強は良く使われるハイリスク薬や興味深い新薬について勉強し、無理をせず時間を作って身体を休めると良いと思います。
忙しさの中で、どのように時間を活用するか考える事が重要だと思います。
⑦スムーズな転職をするなら転職サイトを活用する

実際に転職する場合一人で情報収集するには限界があります。
その際は転職サイトを活用してみるのも良いと思います。
転職サイトでは同じような悩みを抱える方がたくさん相談しています。
またアドバイザーが一人一人を担当し相談に乗ってくれることも多く、個人に合った求人を紹介してくれます。
転職サイトは有益な職場情報を提供してくれるにもかかわらず、無料で利用できるサイトがほとんどなので転職サイトをうまく利用し転職に生かしましょう。
まとめ

- 転職をする時期をしっかり見極めて今後のキャリアプランも考慮した上で決定しましょう。
- 転職をする時期をしっかり見極めて今後のキャリアプランも考慮した上で決定しましょう。
- 転職の際は現在の状況を見直し、本当に転職が必要か、必要であればどのような職場に転職したいか考えてから行動しましょう。
- 転職サイトをうまく活用し、情報をしっかり集めて転職する事をおすすめします。
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