
女性薬剤師って高収入のイメージがあるけど、一方で結婚できないイメージもあるなあ

年収・結婚共に女性薬剤師には大きなメリットがある!今回は女性薬剤師の強みについて詳しく解説していくね♪
女性薬剤師の年収事情調査

女性薬剤師の年収事情を、年代別や雇用形態別で調査しました。
他の職業との比較など、さまざまな角度から女性薬剤師の年収について解説していきます。
【男女別】薬剤師平均年収

まずは男女別の平均年収をみていきましょう。
下のグラフは、薬剤師と一般企業の男女別の平均年収です。
(参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
(参照:国税庁長官官房企画課「令和元年度分 民間給与実態統計調査」)
(「支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出)
薬剤師も一般企業も男性の方が平均年収は高いです。
女性は出産・育児など女性特有のライフイベントにより、一時的に仕事をやめたり時短勤務やパートへ働き方を変える傾向にあるため、年収に差が出ると考えられます。
しかし一般企業と比べて、薬剤師は比較的男女の平均年収に差がない職業です。
男女の年収の差が少ない要因としては、薬剤師は出産・育児などで一旦は職場を離れても薬剤師資格はなくならないため、一般企業より復帰しやすいことがあげられます。
【年代別】女性薬剤師平均年収

下のグラフは、女性薬剤師の平均年収の推移を年代別で表しています。(参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
(「支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出)
女性薬剤師の平均年収は、就職してから右肩上がりで増え続けます。
30代、40代では出産・育児などのライフイベントにより伸び方が緩やかになるものの、育児がひと段落するとフルタイム勤務に戻る人が多いため、40代以降も年収は上がり続けます。
年収は50代で約630万円と最も高くなり、50代後半を過ぎてからは下がってきます。
【職業別】企業OLとの年収比較

女性薬剤師の平均年収は企業OLと比べて高いです。
下のグラフは、一般企業で働く女性と女性薬剤師の平均年収を年代別に比較したものです。
(参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
(参照:doda「女性の平均年収ランキング 年齢別・年代別【最新版】」)
(「支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出)
女性薬剤師の平均年収は、一般的な企業で働く女性とは大きな差があります。
グラフからわかるように、年代が上がるほど年収の差は開いていき、最終的には約182万円もの差が出ています。
女性薬剤師は、一般企業に務める女性よりもはるかに平均年収が高いといえます。
女性薬剤師は育児がひと段落して職場復帰した後、管理職に就く割合が他の業種と比べて高いことも、平均年収が高い理由のひとつです。
【職業別】他の医療従事者との年収比較

女性薬剤師の年収は他の医療従事者と比べても高いです。
下のグラフは、女性薬剤師と女性医療従事者の平均年収を比較したものです。
(参考:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」)
(「支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出)
医療従事者の中で最も年収が高いのは医師の1,081万円です。
女性薬剤師は527.7万円で、女性医療従事者の中では二番目に高い給与水準です。
女性薬剤師の年収は同じ医療従事者の中でも比較的高いことがわかります。
【雇用形態別】女性薬剤師の平均年収

雇用形態別の女性薬剤師の平均年収は以下の通りです。
平均年収(万円) | |
正社員 | 545.3 |
パート | 256.7 |
派遣 | 499.2~576 |
(参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
(パート:労働日数(月)14.4日、労働時間(日)6hで計算)
派遣薬剤師の平均年収はセルワーク薬剤師求人より、派遣薬剤師の時給の相場2600〜3000円×1日8時間、月20日勤務の場合で算定しています。
派遣薬剤師が正社員と同等の週5日(月20日)で1日8時間働いた場合の年収は正社員と同じくらいになることがわかります。
短時間労働者(パート)として働いている薬剤師の平均年収は、正社員と比較すると288.6万円の差があります。
【業種別】女性薬剤師の平均年収

女性薬剤師の平均年収が一番高い業種は製薬会社です。
下のグラフは女性薬剤師の推定平均年収を業種別に比較したものです。(参照:セルワーク薬剤師求人)
(参照:doda「女性の平均年収ランキング 職種別【最新版】」)
最も年収が高いのが製薬会社、ついでドラッグストアという結果となりました。
製薬会社は業績が給与に反映する会社が多いため、給与が高くなっていると考えられます。
ドラッグストアは新店舗が増え続けているため薬剤師の需要が高く、好条件の求人が多いです。
なぜ女性薬剤師の年収は高いの?

女性薬剤師は、他の職業より比較的年収が高いと解説してきました。
ではなぜ、女性薬剤師の年収は高いのでしょうか。
理由は主に3つあります。
女性薬剤師の年収が高い理由
- 国家資格が必要だから
- 学費が高いから
- 責任が重いから
薬剤師の資格は、薬学部のある大学に6年間通い、国家試験に合格した人しか取得できません。
6年間という長い時間と高いお金をかけて専門的な知識を学ぶ必要があります。
以下の表は薬学部の平均的な学費です。
卒業までにかかる学費(6年間) | |
私立大学 薬学部 | 約1,144万円 |
国立大学 薬学部 | 約350万円 |
(各大学の募集要項を参考に作成)
薬剤師になるには多額の学費がかかることがわかります。
6年間勉強して国家試験に合格した後は、薬剤師として責任を持って働きます。
責任の重さは薬剤師の年収が高い1番の理由といえるでしょう。
薬剤師は、さまざまな薬について幅広い知識を持ち患者さんの健康をサポートする「薬の専門家」です。
医師が出した処方箋に基づいて調剤する際、患者さんの症状に合った薬が処方されているか、用法用量や他の薬との飲み合わせは問題ないかも確認します。
万が一医師が処方を誤ったときには患者さんの健康を守る最後の砦でもあります。
薬の渡し間違いや処方せんの問題点を見落とすなどのミスを犯した場合は、患者さんの命に関わることもあります。
他の医療従事者も「患者さんの命を預かる」という点は同じですが、薬には副作用や危険性が高いものもあり、特に豊富な知識と正確さが必要です。
女性薬剤師特有の悩みとは?

女性薬剤師は年収が高いというメリットがある一方で、キャリアアップが難しく年収が上がりにくかったり、結婚が遅いなどの問題もあります。
女性薬剤師特有の悩みについて解説していきます。
キャリアアップが難しい

女性薬剤師特有の悩みとしてはまず、キャリアアップが難しいことがあげられます。
主な理由は2つです。
- 薬剤師のキャリアアップは難しい
- 女性ならではのライフイベント
そもそも薬剤師はキャリアアップが難しいです。
例えば調剤薬局では、管理薬剤師のポストが空いていないと昇進できません。
ポストが少ないので、実力や実績があっても今役職についている人が退職するまで昇進のチャンスがありません。
さらに、女性薬剤師は妊娠・出産や子育てなど女性特有のライフイベントのため、時短勤務や離職する人も多いです。
キャリアが途絶えてしまうと出世コースからはずれてしまい、その後のキャリアアップは難しくなります。
年収が上がりにくい

キャリアアップが難しいと年収も上がりにくくなります。
薬剤師の初任給は一般企業に比べて高めですが、長期的にみると平均年収が上昇しにくい傾向にあります。
女性薬剤師の場合は出産や子育てにより休職や離職をする場合が多いです。
育休後に復帰しても、時短勤務だとなかなか昇進しにくく年収は上がりにくいです。
また近年では薬剤師の需要に供給が追いついてきて、右肩上がりの昇給はより難しくなっています。
女性の多い職場で人間関係が複雑

薬剤師は男女比が4:6で女性の多い職場です。
女性の多い職場では人間関係が複雑になりがちです。
特に調剤薬局のように閉鎖的な空間で毎日同じ人と顔を合わせて働くような職場は、ストレスを感じることが多く不満も溜まりやすいです。
女性薬剤師は晩婚化傾向にある

女性薬剤師は晩婚化の傾向にあります。
女性薬剤師の平均的な結婚年齢の公的なデータはありませんが、女性薬剤師が結婚するのは平均して30代以降と予測できます。
4年制の大学を卒業して就職した女性と比べて、家庭を持つ余裕が生まれる時期は2年以上遅れると考えられるからです。
日本全体の初婚の平均年齢は以下の通りです。
平均初婚年齢 | |
男性 | 31.2歳 |
女性 | 29.6歳 |
出典:厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
近年は日本全体で晩婚化が進んでおり、女性の平均初婚年齢は29.6歳です。
薬剤師の場合は大学の薬学部で6年間学んだ後、卒業後は薬剤師の国家試験に合格しなければなりません。
以上より、女性薬剤師は日本全体の平均よりも2年以上遅い、30代以降の結婚が一般的であると考えられます。
女性薬剤師がなかなか結婚できない理由とは?

女性薬剤師がなかなか結婚できない理由はどこにあるのでしょうか。
①高収入の職業である

薬剤師のように高収入で安定した職業についている女性は結婚が遅い傾向にあります。
結婚を急ぐ理由でよくあるのは経済的な安定を求めるためです。
薬剤師は高収入で経済的に余裕があるため結婚を焦る必要がないので、結果晩婚化がすすむと考えられます。
②勤務形態が不規則

勤務形態が不規則だと、仮に素敵な人と出会っても休日が合わせにくかったり連絡を取る時間が合わなかったりします。
特にドラッグストアは、シフト制の職場が多いです。
OTC医薬品も扱うため年中無休の店舗が多く、年末年始の出勤もあります。
年末年始は、独身の人が家庭を持っている人に休暇の申請をゆずるケースも珍しくありません。
総合病院や急性期の病院も土日は交代で勤務する場合が多く、夜勤・日勤の順番もあるため休日は不規則になりがちです。
③仕事が激務でプライベートの時間がない

仕事が激務でプライベートの時間がないと恋愛をする暇もありません。
薬剤師は資格を取って就職した後も日々の勉強が大切です。
新人のころは覚えることが非常に多く、ミスがあれば患者さんの健康被害にもつながりかねないため、休日も勉強する生活が続きます。
ある程度仕事に慣れてからも、日々進歩する医療や新薬の勉強など学ぶべきことはたくさんあります。
毎日の仕事と勉強で、恋愛に割く時間がないことも晩婚化の理由のひとつです。
実は女性薬剤師は男性に好印象を持たれている!

女性薬剤師の晩婚化はすすんでいるものの、実は女性薬剤師は男性に好印象を持たれていることが多いです。
有資格者で、経済的に安定しているためです。
近年は共働きを希望する男性も増えており、経済的に自立している女性薬剤師の人気は高いです。
資格があるので出産後も仕事を続けやすく、長く共働きを続けたい男性には魅力的でしょう。
女性薬剤師はまじめで清潔な印象があり、薬に詳しく病気や怪我のときに頼れそうというイメージがあるのも人気の理由です。
女性薬剤師特有の強みとは?

女性薬剤師ならではの強みを解説します。
キャリアアップしている女性が多くいる

薬剤師は出産・育児などで一旦は離職しても、薬剤師の資格があるため再就職もしやすく、一般的な企業と比べてキャリアアップしている女性が多くいます。
すでにモデルケースになる方がいてキャリアアップの道筋が整っているため、高みを目指しやすい職場環境であるといえます。
女性患者から相談されやすく信頼を得やすい

女性薬剤師は同性として女性患者から相談されやすく、信頼を得やすいです。
医師は男性の割合が多いため、話しにくいと感じる女性患者は少なくありません。
診察時に話せなかったことを女性薬剤師には相談できたという声は多いです。
特に婦人科や小児科が近い薬局では、女性薬剤師は大きな強みになります。
出産・育児を経験した女性薬剤師なら新米ママにアドバイスできるからです。
生理やPMSなど女性特有の疾患は男性薬剤師には相談しにくい女性患者が多いでしょう。
女性薬剤師であれば同性として話しやすく、患者さんの悩みも共感してあげられます。
ブランクがあっても復職しやすい

女性薬剤師は、出産や育児で一時的に職場を離れても復職しやすいです。
薬剤師の需要は高いので求人も多いですし、女性が多い職種のためブランクがあっても復職しやすい環境を整えている会社が多いからです。
正社員やパート、派遣社員など雇用形態を自由に選べて、どの雇用形態を選んでも高待遇で高収入が実現しやすいのは薬剤師ならではのメリットです。
配偶者の転勤があっても働き続けることができる

女性が退職する理由に配偶者の転勤がありますが、女性薬剤師は配偶者の転勤があっても働き続けることができます。
薬剤師の求人は多いので、転勤先がどこであっても比較的容易に勤務先が見つかるからです。
もし今勤務している会社の店舗数が多ければ、退職せずに店舗間の異動として働き続けられます。
店舗間の異動で同じ会社で働くのであれば、マニュアルやシステムなども同じなので転職するより働きやすいですね。
女性ならではの気遣いが高評価を生む

一般的に、女性は男性よりも細やかな気遣いができる傾向にあります。
女性は服薬指導で最も大切な傾聴・共感の能力が優れています。
悩みごとを相談するとき、アドバイスよりも、まず話を最後までよく聞いて「おつらいですね」と共感してほしい患者さんは多いです。
女性薬剤師は、女性ならではのきめ細かい気配りで患者さんをフォローできるので、高評価につながります。
独身でも生きていける給料がある

先述の通り、女性薬剤師の平均年収は一般的な女性よりも高いです。
金銭的に余裕があるため、独身でも生きていけるでしょう。
給与の高さは未婚率の高さにもつながりますが、経済面で自立していて結婚を焦る必要がないのは、女性薬剤師の強みといえます。
ライフスタイルの変化による職場の選定方法

出産・育児など女性特有のライフスタイルの変化による職場の選定方法について解説します。
①産休・育休制度や育児サポートの充実

産休・育休制度や育児サポートの充実は最も重要なポイントです。
産休・育休の制度があっても取得した実績がない場合や、男性薬剤師が多い職場では育児中の働き方を理解してもらえないこともあります。
また在籍の薬剤師が少ない薬局では、子供の急な病気や学校行事で休みにくい可能性もあります。
育児をしながら働き続けるには、職場の理解が不可欠です。
子育て経験のある女性が多い職場や、産休育休の取得実績がある職場であれば子育て中でも働きやすいでしょう。
②キャリアアップが実現可能か

復帰した後、キャリアアップが実現可能な職場かどうかも確認しましょう。
薬剤師は女性にとって働きやすい職業ですが、産休・育休による一時的な離職でキャリアが途絶えてしまうとその後のキャリアアップが不利になる場合もあります。
調剤薬局では管理薬剤師、病院では薬局長などの管理職に女性が就いているかを確認することもおすすめです。
③家庭と仕事を両立している薬剤師の有無

家庭と仕事を両立している薬剤師が職場にいるかの確認は重要です。
育休・産休の制度があっても、実際に取得した実績がないという職場もあります。
妊娠中や育児がはじまってからは通常通りの勤務が難しい場合もあるでしょう。
すでに育休・産休をとって家庭と仕事を両立している薬剤師がいる職場であれば、実際に制度を利用しやすいです。
ライフイベントを見越したキャリアプランを立てる

働き方を見直すときは、ライフイベントを見越したキャリアプランを立てましょう。
出産や育児など大きなライフイベントはキャリアプランの転換点です。
キャリアプランについてよく考え、生活の変化に合わせてアップデートしていくことが大切です。
時間がない女性薬剤師こそ転職サイトを活用すべき

仕事とプライベートに忙しく時間がない女性薬剤師こそ転職サイトを利用するべきです。
将来的に結婚や出産を考えている方が職場を選ぶ際重視したいポイントは2つです。
- 育休・産休制度の充実
- 復帰後の働きやすさ
現在の職場で育休・産休などの福利厚生が充実していない場合や取得の実績が少ない場合は転職も視野に入れましょう。
育休・産休から復帰した後の働きやすさも重要です。
家庭と仕事を両立しながら働ける職場を選べば長期的なキャリア形成が可能だからです。
長く働き続けると、薬局長や管理薬剤師、エリアマネージャーなどに昇進しながら年収アップを目指せます。
現在の職場で両立が難しい場合は、復帰後のサポートを積極的に行なっている会社へ早めに転職することをおすすめします。
転職を考える際は転職サイトを利用しましょう。
思い描くキャリアプランに適した勤務先を多くの求人情報から見つけ出すのは時間がかかります。
転職サイトを利用して、自身のキャリアプランを元に転職のサポート実績の豊富なプロに相談してみることをおすすめします。
まとめ

・女性薬剤師は一般の職業と比較しても年収は圧倒的に高く、一人で自分を養うことができる程のお給料をもらえる。
・「結婚できない」悩みはあるものの、男性からは好印象を持たれる職業でライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる職業である。
・転職サイトを活用することで、忙しい毎日の隙間時間に転職活動をスムーズに進めることができる!
この記事では女性薬剤師の年収や結婚事情について詳しく解説しました。
薬剤師は女性が働きやすい職業です。
他の職業と比べて年収が高く、ライフスタイルの変化に合った働き方が可能だからです。
出産や育児などのライフイベントを見越したキャリアプランを考えたときに現在の職場に不安があれば、ひとりで悩まず転職サイトを利用してプロに相談することも検討しましょう。
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